夏になると、毎日のように「水の事故」がニュースになる。特に、海水浴や川遊びの子どもたちが犠牲になるのは、なんとも痛ましい。
たまたま私が顧問を引き受けている「仙台大学ライフセービング同好会」がライフセービングの講習会を開催(下記JLSとの共催)するというので、私も受講しながら、人命救助について考えた。
講習会の講師は、NPO(特定非営利活動)法人・日本ライフセービング協会(JLS)のインストラクターで、同好会の学生や一般の参加者が2日間にわたって、「BLS」(Basic Life Support)と「Water Safety」という2つのコースを受講した。
見るとやるでは大違いの胸骨圧迫と人工呼吸
BLSで、私たちが学んだのは、倒れている人を見つけ、意識や呼吸の有無を確認、それがない場合は、胸骨圧迫や人工呼吸、AED(自動体外式除細動器)を使いながら、心肺蘇生(CPR)を試み、救急車による救急救命士の到着を待つという手順。傷病者役は専用の人形だ。
CPRの訓練は私にとって初めての経験で、人命に関わるものだという思いもあり、緊張の連続だった。
胸骨圧迫というのは、心臓のあたりを押すのかなと思っていたのだが、実際に押す場所は「傷病者の胸の真ん中、胸骨の下半分中央」で、押す強さも「胸壁を少なくとも5センチほど沈むくらいの力で押し込む」とあり、相当の力が必要なことが分かった。しかも1分間に少なくとも100回のテンポで30回連続というから、なかなかの重労働で、すぐに汗だくになった。JLSの教則本には、「強く(5センチ)、速く(1分間に100回のペース)、絶え間なく(30回)」とあった(写真1)。