今年4月に日本経済新聞社とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが共同で新入社員向けに実施した調査の結果を見ると、改めてチャレンジ精神やタフさなどに心許なさを感じずにはいられません。

受け身で安定志向の新入社員

 以下に上記の調査結果の抜粋を記します。(有効回答数171人)

●入社を決めた理由(二者択一):

 「規模は大きくて安定」61.4% ⇔ 「規模は小さいが成長する可能性が高い」38.6%

 「国内勤務で転勤の可能性も低い」74.3% ⇔ 「海外で仕事ができる可能性が高い」25.7%

●人と競争するのはあまり慣れていない:

 そう思う71.9% ⇔ そうは思わない28.1%

●失敗するとなかなか立ち直れない:

 そう思う49.7% ⇔ そうは思わない50.3%

●困難に直面したときにあえて立ち向かおうとするタイプ:

 そう思う46.2% ⇔ そうは思わない53.8%

 別のデータを見てみると、2011年の労働政策研究・研修機構が「失敗や困難があってもやり遂げようとする意志が強いかどうか」を世代ごとに調査した結果、40代以上62.4%、30代36.0%、20代8.8%と、若い世代ほど失敗や困難への耐性が極端に弱くなっていることが分かります。(有効回答数:3392社)

 また、ベネッセが大学生約5000人に実施した調査では、「自分で発表する演習よりも教員の話を聴く授業が良い」と答えた学生は80%に上っています。大学ではアクティブラーニングが推奨され始めていますが、学生のマインドとのギャップはいまだに大きいと思わざるを得ません。

 さらには、5月に開催された国際交流会議「アジアの未来」に参加希望した学生のうち、30%程度しか「日本は20年後にアジアのリーダーだと思う」と回答していません。(有効回答数1294人)

 リーダーかどうかが問題なのではなく、そういう気概を持ってアジアや世界の豊かさに貢献しようという姿勢が希薄なのではないでしょうか。

 例えば国連には日本から相当な分担金が拠出され、それに応じた人員枠が設けられているのに、応募者数が少ないため日本人の占める割合は小さいままです。日本人職員が増えればもっと世界に良い意味での影響力を持てるはずです。