南国新聞 2014年2月20日
一人暮らしの高齢の母親が一人ぼっちで寂しくないようにと、ユニークなアイデアを思いついた孝行息子が街の話題になっている。
リー・キムキーさん(97)はペナン島ジョージタウンの人気観光スポットの一つ、世界遺産にも登録された木造の橋の上に水上家屋が立ち並ぶリム・ジェッティ(姓林橋)で一人暮らし。
近所に住んでいるとはいえ、仕事があるのでなかなか様子を見に行けないと心配する息子のリム・エンチューンさん(62)は、リーさん宅そのものを観光スポットにして旅行客がたくさんやって来れば、高齢の母も寂しくないはずと思いついた。
リムさんは祖父が外国人からもらったというリム・ジェッティの1910年撮影の古い写真を拡大して、知り合いの15歳の兼業画家に頼んで大きく描いてもらって2月6日から建物の外壁にかけた。
リーさんは戦前からずっとリム・ジェッティで暮らす地元っ子で、住んでいるのも戦前からの貴重な水上家屋の一つだ。そんなわけで、リーさん宅はリム・ジェッティを訪問する旅行客の注目スポットになり、6日から9日までに100人以上がやってきた。
「急にたくさんの人がやってくるので驚きました。私は耳が遠いんですが、それでもみんな親切なのはわかりますよ。旅行客と一緒に記念写真を撮ったりして、とても楽しいです」とリーさんは語り、孝行息子のユニークなアイデアを心から喜んでいる様子だ。
(2月10日 Star)
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