韓国では現在クレジットカード会社の個人情報漏れが発覚し、大変な騒ぎになっている。何と1億4000万人分の顧客情報が流出するという前代未聞の事件。ちなみに韓国の人口は約5000万人だから、人口の3倍弱の顧客情報が流出したことになる。

 吹きすさぶ寒風の中、とんでもない事故となった今回の事件はカード各社の役員たちが一斉に辞意を表明するなど、大きな波紋を広げている。

「我輩は暖炉だ」企画に参加者殺到

「我輩は暖炉である」で賞を取った暖炉

 さて、こんな肌寒いニュースの後、あるラジオ局で「我輩は暖炉である」という企画を進めている人のインタビューが流れた。韓国語では、「ナヌン、ナンロダ」というもので、直訳すれば「私は暖炉だ」になるのだが、私としては夏目漱石の「我輩は猫である」をもじってみた。

 「我輩は暖炉だ」とは、2013年12月で3回目を迎える、暖炉を作る人たちのイベントである。韓国では伝統的にオンドルという床下暖房があり、暖炉とはあまり縁がないように思われる。

 だが、1970~80年代の学校の教室には薪や豆炭を入れる暖炉(薪ストーブ)があり、その上にアルミのお弁当箱を重ねておき、昼休みになったらそれらをおかずを入れたままシェイクするとおいしいビビンバになるという思い出話は聞いたことがある。

 さて、そんな思い出の品である暖炉(薪ストーブ)と関連した今回の「我輩は暖炉である」イベントは、全羅道の完州(ワンジュ)郡という人口8万人の小さな町で開かれた。

 こんな辺鄙な場所での地域振興のイベントだったのに、何と1万人以上の来場者があった。韓国の田舎も高齢化が進んでいるので、1万人のうちほとんどが高齢者かと思いきや、イベントに参加したの人は20~30代が多かったという。

 完州郡が主催し、「転換技術社会的協同組合」が主管した「我輩は暖炉である」の公募展では従来の薪ストーブの効率を高めるために工夫された自作の薪ストーブ36点が出品された。