先頃、中国最大の携帯電話会社、中国移動(チャイナ・モバイル)との提携を発表したばかりの米アップルだが、今度は同社がトルコ市場での販売強化に向けた取り組みを始めていると伝えられた。

 複数の米メディアが引用したトルコのメディア報道によると、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は来年2月にトルコを訪問し、アブドラ・ギュル大統領らと会談するという。

 トルコ訪問の主な目的は同国の教育プロジェクトにタブレット端末「アイパッド(iPad)」などを採用してもらうこと。これは最大40億ドルの取引になるという。

学校に電子黒板やタブレットを導入する国家プロジェクト

トルコ首相、「エジプト政変の背後にイスラエル」

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相〔AFPBB News

 トルコでは教育の機会均等と情報インフラの整備を目指した「FATIH」という国家プロジェクトを進めており、2011年から小・中学校、高校など約4万校に、電子黒板や電子教科書を導入する取り組みを行っている。

 アップルが目指している契約はそのプロジェクトの一環。もし同国政府と契約を結ぶことができれば、同社は第1段階として、1060万台のタブレット端末を納入する。

 その後の第2段階では200万~250万台のアイパッドを納入する見込みで、これらを合わせた向こう4年間の取引金額は30億~40億ドルに上るという。

 実は昨年5月に、ギュル大統領は米カリフォルニア州クパチーノのアップル本社を訪れ、クックCEOと会談している。また今年2月は、アップルの教育事業部門トップのジョン・カウチ氏がトルコを訪れ、大統領と会っている。さらに今年5月には、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相がアップル本社を訪れている。