東京の新橋から日本橋に抜ける昭和通りをタクシーに乗っていた。運転手さんが言う。

 「最近、工事多いね~。手っ取り早い景気対策なんだろうねぇ」

 タクシーを降りた日本橋蠣殻町の有馬小学校前──そこでも工事。オジサンが「こちらへ」と手を拡げる。

 いや、指示しなくても分かるよ。

メン・イン・グリーンなオッサンたち

 「見りゃ分かりますよね。でも仕事なんで・・・すいません」という感じだったらまだいい。しかし、エバっている風なオッサンたちもいる。例えば、駐車メーターを調べているミドリ色の制服の人たち。

 ある日、友達が道に停めた車に戻ると、彼らが立っていた。

 「はい5分オーバーね」

 会社には請求できないから自腹だ。

 いや、ルールだってのは分かりますよ。しかし、商売やって納税している人に向かって杓子定規に言われるのはちょっと納得いかない。

 まじめにビジネスをやっている人を見逃すそんな機微も分からん高齢者ってなんなのか。市民を管理する的な雰囲気が漂っている。

 このメン・イン・グリーンなオジサンたち。人形町界隈をとにかく徘徊している。

 高齢者の雇用も大事だろう。しかし、やたら頑張っちゃうんですよ。ホント。願わくばビジネスを邪魔しない程度に活動してほしい。狭い道に車が溢れていたら困るけど、そんなに車なんか停まっていないんだから。要はバランスの問題でしょう。

 ただ、こういう状況を見ながら、僕はなんの行動もしてこなかった。ホントにあの道路工事が必要なのか? あのミドリ色のオジサンたちが何者なのか? 構っている時間もない。