7月7日、生活意識に関するアンケート調査の6月分(調査期間:5月13日~6月8日、PDF)が、日銀から発表された。

 現在の景況感DI(「良くなった」-「悪くなった」)は▲41.2で、5四半期連続の改善。1年後の景況感DI(「良くなる」-「悪くなる」)は▲11.2で、2四半期連続で改善した。水準はまだかなり低いものの、家計の景況感は緩やかに改善している。

 1年前と比べた現在の物価に対する実感は、「上がった」とする回答(「かなり上がった」と「少し上がった」の合計)が35.8%で、「下がった」とする回答(「かなり下がった」と「少し下がった」の合計)は25.5%。回答比率「上昇」-「下落」で算出される現在の物価についてのDIは、前回3月調査では▲16.2で、2006年9月調査から行われている郵送方式での最低水準を記録していたが、今回は+10.3に上昇した。

 1年後の物価に対する見方は、「上がる」とする回答(「かなり上がる」と「少し上がる」の合計)が44.2%。「下がる」とする回答(「かなり下がる」と「少し下がる」の合計)は9.4%。回答比率「上昇」-「下落」で算出される1年後の物価についてのDIは、+34.8に上昇した。

 5年後の物価に対する見方は、「上がる」とする回答(「かなり上がる」と「少し上がる」の合計)が67.8%で、「下がる」とする回答(「かなり下がる」と「少し下がる」の合計)が9.4%。回答比率「上昇」-「下落」で算出されるDIは、+58.4に上昇した。

 具体的な数値による物価の実感および見通しの回答は、以下の通りである。

設問「1年前に比べ現在の物価は何%程度変化したと思うか」への回答の中央値は0.0%。3四半期連続で同じ数字である。

設問「1年後の物価は現在と比べ何%程度変化すると思うか」への回答の中央値は0.0%。こちらも3四半期連続で同じ数字である。

設問「5年後の物価は現在と比べ毎年、平均何%程度変化すると思うか」への回答の中央値は+2.0%。6四半期連続で同じ数字である。

 中央値ではなく平均値を見ると、1年前との比較は+1.6%(前回は▲0.6%)、1年後の見通しは+2.9%(前回は+1.7%)、5年後の見通しは+3.9%(前回は+3.0%)である。

 以上のような結果からみて、日銀が4月の展望レポートにも記したリスク要因である「中長期的な予想物価上昇率の低下」は、今のところ、家計の側では起きていないようである。