私はこの原稿を、パリ、ロンドン、ニューヨークへの旅の途中で書いている。海外に出て思うことの一つに、日本のネットワークの回線の速さ、繋がりやすさがある。

 日本にいると、回線が高速なことはあまり実感しないかもしれないが、海外では、グーグルマップを見たり、フェイスブックに写真を投稿するのにイライラすることがある。また、Foursquare(フォースクエア)も人が多くいる場所では、回線の混雑のせいか、なかなかチェックインできないといったこともよく経験する。

 日本は、非常にネットワークの環境が良いのである。よって、大きなストレスなく動画視聴もできる。

 今、広告の技術の進化、動画の配信事業者や新たな動画提供プラットフォームの戦略もあり、動画がインターネットの広告の領域では注目のテーマになっている。事実、米国でも「Netflixの利用者が4000万人を突破: 米国でインターネット動画配信が急拡大している理由とは?」の記事のように、動画配信が拡大している。

 動画には大きなチャンスがある。例えば、スマートフォンやタブレット端末では、小さな文字よりも動画で理解したい人も多いだろう。そのような状況を踏まえ、今回は動画を配信する側のことではなく、受け手側のビジネスパーソンにも動画が有益なことを、私の経験も含めて紹介したい。

TEDトークをYouTubeで見てみよう

TEDのキュレーター、クリス・アンダーソン(ウィキペディアより)

 TEDトークというカンファレンスをご存じの方も多いと思う。自分のアイデアや経験を話すカンファレンスで、その内容は実に多岐にわたる。そして、そのプレゼンテーションは厳選されたものばかりで、いろいろと刺激を与えられたり、考えさせられることが多い。

 NHK Eテレの「スーパープレゼンテーション」でTEDトークが取り上げられているので、視聴された方もいるだろう。内容に興味のある人はもちろん、英語の勉強をしたい人、プレゼンテーションの勉強をしたい人にも非常に参考になると思う。

 例えば、アドテック東京2013でキーノートスピーカーを務めたツイッター社のチーフ メディア サイエンティスト、デブ・ロイ(Dev Roy)氏のTEDトークにおけるプレゼンテーションも、「Deb Roy: The birth of a word」というタイトルで、YouTube上に公開されている。

 アドテック東京2013で話された内容の基本部分は、この動画で説明されているアイデアから来ているものなので、キーノートを聞かれなかった人にも参考になるだろう。