最近、尖閣諸島に中国機と見られる無人の航空機が出没しています。日本政府は、無人であることから領空侵犯の警告を出しても強制着陸を命じても応じないとして無人機の撃墜を検討しているようです。

 これに中国は反発し、無人航空機を撃墜したら戦争だと脅していますが、無人機なら人を殺すわけでもないので撃墜したらいいのではないでしょうか。

ローマ防衛軍の兵隊を減らしていたローマ教皇

 前回に引き続き、スペイン・ローマ帝国軍とコニャック同盟との戦争の話を続けます。

(今回登場する両軍の主要な人物を整理しておくと以下の通りです)

【スペイン・神聖ローマ帝国軍】

・カルロス王
・シャルル3世(軍の指揮官)

【コニャック同盟】

・フランソワ1世(フランス王)
・クレメンス7世(ローマ教皇)
・教皇軍の参謀、マキァヴェッリ

 スベイン・神聖ローマ帝国軍の本格的な侵攻は1527年2月に始まります。指揮官は、ブルボン公シャルル3世。もともとフランス王フランソワ1世に仕えていましたが、わけあって亡命し、カルロス軍の指揮官になりました。前回紹介した「パヴィアの戦い」でフランソワを捕虜にした実績の持ち主でもあります。

 シャルルはすでに占領したミラノで、コニャック同盟軍の攻撃を撃退後、フェラーラ公国の協力を得て大砲や食料を確保し、ボローニャに向かいます。ところがボローニャでは住民の強い抵抗があり、略奪ができないので補給が進まず、傭兵に約束した給料を払えませんでした。

 そのため傭兵たちは反乱を起こし、シャルルすら一時逃亡せざるを得ないところまで追い込まれます。その次はフィレンツェに向かいましたが、これも取れません。フィレンツェはマキァヴェッリが事前に手を打ち、城塞を強化していたためです。