日本は、車のドライバーのマナーが悪い。横断歩道にいる人を、どんどん無視して走っていく。それどころか、渡りかける人を見ても、ブレーキをかけるどころか、クラクションを鳴らし、蹴散らすように走っていく車もいる。それを見るたびにカッと頭に血が上る。
ドイツでは、ほかのことはともかく、ドライバーのマナーだけは良い。横断歩道にいるのが、たとえ犬であっても、車は皆、直ちに停まるに違いない。それほど、横断歩道の威力は大きい。
礼儀正しい日本人のマナーが悪くなる時
なぜ、日本では、ドライバーがこれほど大きな顔をしているのか、そして、それを歩行者が許容しているのかが分からない。いったい、横断歩道は何のためにあるのだ!
日本は、自転車の運転者のマナーも悪い。こっちは、車よりももっと悪いかもしれない。車は信号は守るが、自転車はそれも守らない。私が日本で怪我をするなら、おそらく歩道で、後ろから来た自転車に轢かれてのことに違いない。
歩道を歩いているとき、誰もが脇目も振らず一直線で歩くとは限らない。突然、ふと、右に一歩踏み出したりするのが人間だ。よろけることだってあるかもしれない。ところが、日本の自転車の運転者は、歩行者のそんな習性など一切想定していない。
たいていすごいスピードで音もなく後ろから来て、人の横をぎりぎりですり抜けていく。極めて危険。ヒヤリどころではない。毎回その度に、「寸でのところで命拾いした」と思う。かといって、チリンチリンとベルを鳴らされるのも腹が立つ。「ここは歩道だ。なぜ、歩行者が自転車に追い払われなければいけない!?」
自転車のマナーの悪さはそれだけではない。歩道で歩行者を脅かしていたかと思うと、そのまま車道に降り、今度は、車と一緒に道を横切り、横切り終わったら、今度は歩行者の横をすり抜けながら、横断歩道を走り、そのまま、また歩道に上がってジグザグと走り抜けていく。
絶対に止まらず、絶対にスピードを落とさないことが、先祖代々の家訓であるかのようだ。
さらに日本人のマナーの悪さを上げるなら、例えば、階段の前で困っているベビーカーを持ったお母さんを見ても、誰も助けない。重い荷物を網棚に上げようと四苦八苦している人も見ても、せいぜい身体をよけるだけ。