最近、韓国では「進撃のビーグル」「進撃のバナナ」など、「進撃の○○」という言葉をよく見かける。普通より大型のものを指して、「進撃の○○」としているわけだが、本をただせば諫山創による日本の漫画作品「進撃の巨人」からきている。

 「進撃の巨人」を発行している講談社によると、漫画の累計発行部数は8月9日現在で2300万部で、韓国では40万部以上売れた。一度、韓国の人気漫画作家が「進撃の巨人」と同じようなフォーマットで漫画を描いたところ、大変なブーイングになるほど、原作のイメージは韓国人にも浸透している。

韓国人が受け取る別の意味

ネットに出回っている「進撃のビーグル」

 「進撃の巨人」の内容は、突如現れた巨人たちの侵攻により、人類は存亡の危機に瀕する。領土を奪われ人口も減ってしまった人類は3重の高い城壁を築き防御するが、100年後、城壁の外を知らない少年たちは城外の自由に憧憬するようになる。

 だが、今度はより巨大化した超大型巨人たちの襲撃により、少年兵士たちがそれに立ち向かって人類のために戦うという内容である。「巨人と人間」という構図は「強者と弱者」「支配者と被支配者」など、様々な対立的な構図を表すことができる。

 先日、NHKでは「進撃の巨人」が韓国で流行っているわけについて特集を組んでいて、その理由を韓国の若者の先行き不安だとしていたが、実は韓国では「進撃の巨人」に関してはもう1つの読み方をしている人たちがいる。

 まず、作品の主な設定が、最近の日本の情勢とよく似ていて、安倍晋三内閣をはじめ、政治の右傾化がなぜ始まったのかをよく見て取れるということだ。

 「巨人の攻撃で、人類は瀕死に追い込まれ、城壁を築いて防御した」

 城壁は「4面の海」、城壁の中の人々は「戦争の被害により被害者となった日本」を意味し、城壁の外部にいる巨人は「強い存在の米国、核爆弾」と見て取れる。または、城壁を「米国の核の傘」と見る人もいる。

 「3重の城壁を築くことで100年間の平和があり、軍隊はマンネリ化した」

 終戦後、日本は長期間平和であり、自衛隊は防衛だけに徹している。

 「以前より大きな超大型巨人の出現と攻撃」

 中国の政治経済的巨大化と軍事力強化により日本との領土問題発生。