南国新聞 2013年6月6日

 園内には絶滅危惧種とされるボルネオ・オランウータンやマラヤ・タイガー、アジア象など、約5000匹もの動物たちが暮らしている。これらの動物たちに会いに、国内外から年間100万人もの人が「Zoo Negara」を訪れる。

Zoo Negara

 園内には子供たちや大人を魅了する人気者がたくさんいるが、中でも最近注目を集めているのが『ジャイアントパンダ』の来馬だ。パンダがやってくるとなれば、その可愛い姿を一目見たいと躍起になるのは万国共通ではないだろうか。

 2014年、中国とマレーシアは外交関係を結び40周年を迎える。これを記念して、昨年、両国政府の間で2頭のジャイアントパンダを10年間、マレーシアに送り出すことが決まった。

 予定通りに進めば、今年12月にはジャイアントパンダがマレーシアにやってくる。

来馬予定の2頭のパンダ。「フワ」(Fu Wa)/左)と「フォンイ」(Feng Yi/右)(The star)

 受け入れ先に選ばれた「Zoo Negara」では、着々と到着に向けた準備が進んでいる。園内の奥手、ちょうどオランウータンの小屋がある周辺に、約2500万リンギを投じて「パンダの家」が建設されている。

 マレーシアの高温多湿な環境はパンダに適さないため、家の中は空調が設置され常時24度くらいを保てるよう設計されている。工事完了は今年9月頃を予定していて、完成すれば、屋根付きの巨大な家となる。

 同動物園の広報官Dr. Felix氏は「動物園にやってくるパンダは4~5歳の子供たちです。元気に成長してくれるためにも、快適な住まい環境を整えてあげる必要があります。そしてもう一つ、パンダにとって一番大切なことは、彼らの『食事(餌)』です」と語る。

 子供のパンダであっても、一頭あたり一日に食べる笹の量はなんと24Kg。マレーシアの笹と中国で実際に彼らが食べている笹では、味が異なるという。「7種類ほどある笹のうち、彼らが好む笹は1~2種類。はじめのうちは中国本土から笹を輸入する予定です。現在、マレーシアでも彼ら専用の笹を育てる準備をはじめているところです。食事にも手が抜けないのですよ」とFelix氏は笑う。

 現在、パンダを見るための追加料金や入場制限の有無については、検討中とのことだ。可愛い2頭のパンダを目にする日が待ち遠しい。(Mika Yatsuchi)

『Zoo Negara』
■Hulu Kelang, 68000 Ampang, Selangor Darul Ehsan
■営業時間:午前9時?午後5時
■入園料:大人RM50、子供RM20、シニアRM40 (60歳以上)
■詳細:03 4108 3422 www.zoonegaramalaysia.my

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