近頃のソーシャルメディアの世界は、単にフェイスブック、ツイッター、LinkedInのようなサービスだけではなく、その中の情報を分析するツールなども数多く出回るようになり、そこまでを含めたマーケットとなってきている。

 企業の間では、ソーシャルメディアを自分たちで活用するだけでなく、ソーシャルの世界に存在するデータをどうにかしてビジネスに生かせないか、というモチベーションも生まれてきている。

 これまではビジネスの世界でソーシャルと言えば、対顧客あるいは社内のコミュニケーション手段としての活用が期待されていた。だが昨今は、中にあるデータを生かすための「ソーシャルメディアモニタリング」「ソーシャルメディアリスニング」といったものが、企業が気にするテーマとして存在感を増している。

 ところが、この「モニタリング/リスニング」の効果が企業にとって分かりにくい。企業が興味を持ったとしても(ほとんどの場合、その中の個人が、である)、とかく費用対効果を問われる中で、なかなか実用性の判断に至りにくい。

 なんとなく役に立ちそうだし、少しはやっておかないと競合に置いていかれるのでは? という焦燥感はあっても、「なくてはならないもの」ではないだけに、どうやって業務で活用するのか糸口がつかめないという企業も多いのではないだろうか。

恩恵を受けるのは誰か?

 ソーシャルメディアリスニング/モニタリングとは、匿名・実名、本音・建前を問わず、膨大なソーシャルメディアの中にあるデータから、自社のビジネスに関するものを抽出し、見える化する仕組みである。

 業務での活用領域としては、例えば、新製品が顧客からどのように評価されているか、広告を打ったときにどのような反響があったかといったアクションの検証、さらに自社が企業としてどのように見られているかといった風評把握などが挙げられる。