米国の調査会社ディスプレイサーチが世界のポータブルパソコンの市場動向調査を発表した。それによると、1~3月期における市場規模は311億ドルで、平均販売単価が今より20%高かった2008年7~9月期以降最大の規模になった。
アイパッドのシェア、4~6月期に急拡大
この中で、ネットブック(小型ノートパソコン)とタブレット型パソコンを合わせたカテゴリーの出荷台数伸び率は、ポータブルパソコン全体の平均を大きく上回った。今後はネットブックからタブレットへの移行が起きそうだとディスプレイサーチは予測している。
アップルがタブレット端末「アイパッド(iPad)」を米国で発売したのは4月3日、日本を含む世界9カ国で発売したのは5月28日。つまりこの1~3月期の調査にはアイパッドの実績は含まれていない。
しかしディスプレイサーチによると、アップルは3月の下旬に70万台のアイパッドを販売ルートに出荷しており、その台数は「ネットブック/タブレット」カテゴリーの6.5%を占めるという。
アイパッドは最初の2カ月で200万台以上を売り上げていることから、4~6月期にはこのカテゴリーでシェアがさらに伸び、30%程度にまでなると見ている。
また2010年の後半にはアップル以外のメーカーからもタブレットが発売されるため、ネットブックの同カテゴリーにおけるシェアは減少していくだろうと予測している。
機能を削ぎ落とし、小さく軽くしたネットブックは2007年の年末頃に登場した。概ね500ドルと、当時としては非常に安価で売られていたことから当初「ULCPC(超低価格パソコン)」と呼ばれた。
後に、様々なアプリケーションやファイルをネット上のクラウドコンピューターから利用することから、ネットブックとも呼ばれるようになり、それまで高機能・高性能路線だった大手もこぞって市場に参入。パソコンの使い方や売り方に変化をもたらした。
そのネットブックの時代も間もなく終わるのではないかと、ディスプレイサーチは大胆な予測を立てている。「2010年1~3月期は、タブレット端末が誕生した四半期。この四半期は恐らくネットブックの時代の終焉が始まったことを意味するのではないか」(同社)