MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
11月23日、東大本郷の七徳堂に東大・京大剣道定期戦を応援に行った。数年前から現役部員を支援しているからだ。東大剣道部時代に2年先輩であった池上浩司さんに誘われたのがきっかけだ。
低迷し続けていた東大剣道部
私が注目したのは樋渡公愛君(農学部)、齋藤宏章君(医学部)、前橋祐樹君(工学部)ら4年生だ。この数年、東大剣道部は低迷していた。特に4年生がぱっとしなかった。真面目に稽古をするのだが、なかなか結果が出ない状態が続いた。
追い込まれて、彼らはあがいていた。私も何とかしたいと思った。彼らと話していて感じるのは、真面目だが視野が狭いことだ。稽古はやるが、工夫がない。
私は何人かの専門家を紹介した。例えば、競輪の長塚智広選手だ。アテネ五輪の銀メダリストで、現在もトップ選手の1人だ。一緒に相馬市を支援している。コミュニケーション能力が高く、行動力がある。
東大剣道部の学生たちとの初回の飲み会で、「一度、稽古を見に行きます」と約束した。学生たちは「雲の上のアスリート」のフットワークの軽さに驚いたようだ。
翌週、長塚氏は道場にやってきた。そして、学生の稽古を見て「剣道は100メートル走のような瞬発力を競う競技なのに、やっている練習はマラソンと同じだ。稽古を短くして、筋トレをすべきだ」と言った。
さらに「私が一緒に筋トレをしてあげるよ」と提案し、長塚氏と学生たちの筋トレが始まった。長塚氏の友人である古川功二氏や内田玄希氏らの競輪選手も協力してくれた。
また、ハーバード大学で栄養学を研究する内科医大西睦子氏を紹介した。彼女は大学生たちに、アスリートが必要な最新の栄養学の知識を教えた。大西医師も競技ダンスの全米トップアマの1人だ。学生たちとの話は盛り上がったようだ。