1月27日放送の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は、中山氏がアルジェリア人質拘束事件や北朝鮮の核・ミサイル問題について解説したほか、地方公務員の給与削減について提言を行った。

アルジェリア人質事件で最も正確だったのは、日揮からの情報

中山 アルジェリアで発生したイスラム武装勢力による人質事件によって、日本人10名を含む多くの尊い命が犠牲になりました。

アルジェリア人質事件、日本人10人目の死亡を確認 生存者ら帰国

記帳台と献花台が設けられた日揮の横浜本社を訪れた人たち〔AFPBB News

 事件後に様々な情報が錯綜し、正確な状況が把握できないというメディアの報道を目にしましたが、情報が錯綜するのは何も今回の事件に限ったことではありません。

 私たちは今、インターネットを含めて様々な情報を入手する機会があります。今回で言えばフランスやイギリス、中東のテレビ局や放送局、あるいは日本のメディアから矢継ぎ早に情報が飛び込んできました。

 その中で私たちにとって最も精度の高い情報源は、おそらく日揮本社だったはずです。日揮は現地スタッフの電話連絡先を把握していたでしょうから安否確認もできただろうし、後々になってみるとやはり日揮が公表した情報やデータが一番正確だった気がします。

 ここで大切なのは、一つひとつの情報に翻弄されるのではなく、それらを総合したうえで状況を見極める確かな目を持つことです。また今後は、治安や安全確保についても議論する必要があると思います。

 私自身、かつて第1次安倍内閣で外務大臣政務官を務めた時にアフリカ12カ国を訪れたことがありますが、北アフリカ周辺はアラブの春以降、極めて情勢が不安定です。そうした中で日本は、海外に展開する企業の「利益」と邦人の「安全面」をどう考えていくべきなのでしょうか。

 言葉は悪いですが、私は日本人があまりに平和ボケし過ぎていると思います。防衛費の増額に反対する意見もありますが、これまで日本人は日米安全保障条約という後ろ盾があったからこそ、世界中でアタッシェケースを片手にビジネスができたわけです。

 しかし、海外に展開する日本の民間企業のうち、今回のようなリスクを真剣に検討した企業がどれほどあったのか、私は甚だ疑問です。アフリカだから危ないというわけではありません。例えば、共産党一党独裁の政治体制を敷く中国にだって進出するリスクは十分にあります。先日の反日デモでもそれは明らかになっている。