マット安川 今回はチャンネル桜でもさまざまな情報発信をしている西村幸祐さんをお招きして、総選挙から年末年始までのマスコミのさまざまな動きをリポートしていただきました。

安倍首相は非常にスピーディーに動いている

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:西村幸祐/前田せいめい撮影西村 幸祐(にしむら・こうゆう)氏
ジャーナリスト、作家。音楽雑誌編集などを経て、主にスポーツをテーマに作家、ジャーナリストとしての活動を開始。2002年の日韓ワールドカップ取材以降は拉致問題や歴史問題などに関する執筆活動を行い、2011年4月『JAPANISM』を創刊。『幻の黄金時代 オンリーイエスタデイ'80s』(祥伝社刊)など著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

西村 私は安倍(晋三)さんが総理に就任してから会っていないし、官邸にも行っていないので、直接肌で感じることはないですけど、相当動いていますよね。うまくやっていると思います。客観的に見て、昨年の暮れから非常にスピーディーに動いています。

 外交に関しては、外務省がちょっとひどい。総理の意向をくまないで、アメリカの言いなりになってしまって、アメリカ訪問が延びた。その代わり東南アジアの訪問が先になりましたけれど。そのへんのプログラムの違いはありますが、それ以外に関しては非常にスムーズに動いている気がします。

 もちろん、批判の声もあるでしょう。例えば、政府が新設した産業競争力会議のメンバーに、安倍首相の考えとは違う人が入っているという指摘もありますが、政治というのはいろんなものが絡み合って動きます。

 政策のポリシーをすべて推進していくためには、それだけの力を持っているかどうかも重要なファクターの1つになります。安倍さんはその点で、党内基盤が非常に弱い。安倍さんの足を引っ張る人が党内にもいっぱいいるわけです。

 民主党なんかよりもむしろ自民党のほうが怖いと言っても過言ではないと思います。したがって、いろんなものをうまく取り込みながら自分の理想の方向に進めていくしかない。自分の意向とはちょっと違った考えを持つ人でも入れざるを得ないわけです。