12月16日の日曜日は衆議院議員選挙です。若い皆さんは「選挙に行きますか?」と聞かれたら率直にどう思いますか。
「別に自分が投票しても、何も変わらないだろうな」
「政治はよくわからない」
「投票所がちょっと遠い、用事もあるし・・・」
こんなふうに思う方は少なくないと思います。事実、前回2009年の衆議院議員選挙の20代の投票率は49.5%と年代別で最下位、最も高い60代の84.5%を大きく下回っていました。
ここ40年ほどの推移を見ても、最も低かったバブル崩壊後の約10年間よりは回復しているものの、1960~1970年代、60%を超えていた時期に比べれば、近年の20代の投票率はずっと低い水準にあります。(参考:「衆議院議員選挙年齢別投票率の推移」明るい選挙推進委員会)
かくいう私も、昔は選挙や政治にはあまり関心がありませんでした。でも、今はアメリカの市民参加を促すNPOで働いています。そして私たち一人ひとりの参加で、社会は良くなる、日本はもっと良い国になると信じています。
なぜそう思うようになったのか、お話しさせてください。
一本の映画が、企業社会での生き残りばかり考えていた私を変えた
私は大学を2000年に卒業して就職しました。今の大学生は就職がとても大変ですが、その当時も就職難でした。
理系学部だったので就職活動は何とかなるだろうと軽く考えていました。しかし、40社近く受けて最後はストレスで胃けいれんまで起こし、やっとの思いで就職先を見つけることができるという状況でした。
就職が大変だったこと、自分が日本の企業社会ではマイノリティの女性であること、多くの会社でリストラが始まったことが影響して、とにかく自分が一人前になってどの会社でも働けるようになろうと必死でした。今振り返っても、自分のことでいっぱいいっぱいだったと思います。
転職を1度経験し、最初の就職から10年ほど経ったある日、私は職場の先輩から勧められて数年前から観たいと思っていた映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』をやっと観る機会を得ました。
この映画はフィデル・カストロとともにキューバ革命を成功に導いたチェ・ゲバラの青年期を描いた映画です。当時、ゲバラのその後の人生についての映画も出ていたので、それと併せて観ることにしました。
私自身はチェ・ゲバラの予備知識も乏しく、キューバ革命も歴史上の出来事の1つぐらいにしか認識していなかったのですが、ゲバラがアルゼンチン人で将来有望な医師であるのにキューバや南米の自由のために立ち上がり、持病のぜんそくと戦いながら自分の人生を人々のために捧げた生き方に大きな衝撃を受けたのです。