2012年1月の当欄で、私は日本メーカーが得意とするハイブリッド車(HV)が“世界の中心ではない”という趣旨の記事を書いた。この中では、欧州や米国のメーカーが排気量を抑えたエンジンにターボなど過給器を加え、ダウンサイジング化を加速させていると指摘した。

 今回は、このダウンサイジング革命が第2章のフェーズに入ったことに触れる。同時に、日本メーカーの出遅れに警鐘を鳴らす。

2気筒、3気筒が主流に

 先日、自動車専門のニュースサイトをのぞいていたところ、驚くべき記事が掲載されていた。独BMWが1.5リットル3気筒ターボのエンジンを開発し、同社の小型車である「1」シリーズに搭載した、というもの。

 多くの読者は、3気筒というと日本の軽自動車を思い浮かべるはず。換言すれば、小型ではあるが、どちらかと言えば安っぽい、とのイメージを抱くのではないだろうか。

 一体、なぜ3気筒なのか? 専門家である証券会社の自動車担当アナリストに聞いてみたところ、「欧州勢のダウンサイジングのフェーズ1はすでに終了、BMWやフォルクスワーゲン(VW)などはフェーズ2に移行しつつある」(米系証券)と言う。

 先の記事でも触れたが、BMWは長年同社の旗艦エンジンとされてきた直列6気筒エンジン搭載モデルを減らし、「直列4気筒+ターボ」の組み合わせを前面に出した。

 私自身、長年愛用した同社の「直6・3000cc」から、今年春に「直4・2000cc+ターボ」のモデルに個人事務所の車を替えた。

 排気量が小さくなったことで乗り味が低下することを懸念していたが、実際に乗ってみるとそんな懸念は一瞬にして消えた。