今回のテーマは「妻の経済力」です。経済力のない妻は離婚ができない、です。夫は通常働いていますので、離婚したからといって急に職を求めることはありません。妻が結婚後も仕事を持っている場合にも、離婚によって変化することはありません。
離婚によって問題となるのは、専業主婦、あるいはアルバイト程度の収入しか得てこなかった妻が、離婚後に経済的に自立する場合です。日本では離職した後の再就職がたいへん難しいのが実情です。
難しいにはそれなりの理由があります。
例えば、長い間専業主婦をしてきた女性には企業が求めるビジネススキルはありませんし、新卒と違って年齢がある程度いっているために薄給では雇いづらいし、年下の人が仕事上で命令するのもやりづらいし、ということがあります。
そもそも日本が不況であるため働き口が少なくなってきているというのもあります。従って、専業主婦が離婚したい、離婚した後に仕事を見つけて経済的に自立したい、と思っても思惑通りにはいかないのです。
日本の給与事情
国税庁の最新データ「平成22年分民間給与実態統計調査結果」から、日本の給料事情を見てみましょう。
民間企業に1年を通じて勤務した給与所得者数は、4552万人です。日本の総人口が1億2700万人ですから、全体の約36%が給与所得者ということになります。
1年間ずっと働いた日本人が3人に1人程度というのはいかにも少ないですね。男女別に見ると、男性2729万人、女性1823万人となっていますので、女性の場合は28%程度となり、さらに少なくなって4人に1人となります。
2010年度の平均給与の方は、412万円です。男女別では男性507万円、女性269万円となっていて、平均給与の内訳は、平均給料・手当354万円(男性434万円、女性235万円)、平均賞与58万円(男性74万円、女性34万円)となっています。
年齢別給与は下をご覧ください。各世代を5年区切りで男女別の平均給与のデータですが、次の2点が顕著です。