9日のロンドン市場でユーロはドルと円に対して買われた。特段の材料はないが、中東筋が買っていたとの指摘がある。ニュースとしては、関係筋の話として、中国人民銀行が総額3000億ドルの外貨投資機関を創設するとしたが、投資先は米国と欧州で、あまりユーロドルが買われる理由には難しい。ただ、市場ではこの報道を受けてユーロが買われたとの声がある。また、独紙が報道したところによると、カタールがEFSFへ出資検討しているとのこと。カタール王室関係者の話として報じている。欧州関係者からの目立った発言は出ていない。
ユーロドルはロンドン早朝、1.3280台に下押しして始まった後は、じりじり値を戻し、1.33台半ばを超えると上昇に弾みがつき1.3430台まで上げ幅を広げた。ユーロ円やポンドドル、ポンド円も同様の動きを見せて、本日の高値を更新している。豪ドルもドルと円に対して値を取り戻しているが、本日の高値には届いていない。
債券市場では、ECBがイタリア債を購入したとの指摘があり、利回り上昇に一定の歯止めが効いている。ポルトガル債も購入した模様だが、こちらの利回りは高止まりしている。ドイツ債利回りは低下して始まったが、市場のリスク回復モードにつれて利回りは上昇に転じている。
ECB関係筋は、国債買い入れの週200億ユーロという限度は変わらないと念を押している。
Klugアナリスト 鈴木信秀