1日のNY市場は全体的に様子見気分が広がった。仏やスペイン国債の入札が無難な通過を見せたことから、欧州懸念は落ち着いていたものの、ユーロは上値を試す動きまでは出ていない。この日発表になった米ISM指数が予想を上回ったものの反応は鈍く、利益確定が優勢だったが、サルコジ仏大統領が来週5日に仏独首脳会談を行い、そこで危機克服へ向けてEUの条約改正案を発表すると述べたこともあり、下押す動き限定的となった。明日は米雇用統計の発表も控えており様子見といったところ。
ユーロドルは1.35台から1.34台半ばに緩む動き。ユーロ円も105円台から104円台半ばに値を落としている。
一方、ドル円は77.50から78.00のレンジ相場が続いた。欧州問題への警戒感は根強く、ドル高継続と見ている向きは多く底堅さも見られる。
前日は各国中銀のドルスワップ協定の金利引き下げが発表になったことから、銀行間市場でのドル短期金利上昇は一服しつつあるが、一方で下げているわけではなく、ドル3ヵ月物金利(LIBOR)は0.5%付近で変化はない。チャート的には21日線が控える77.50水準を底に上向きトレンドを形成しつつあるものの、78円台を積極的に試すという雰囲気には至っていないものと見られる。
◆スイス下落 スイス政府がマイナス金利検討との報道も
スイスの下落が目立った。一部でスイス政府がスイス高抑制のために、マイナス金利の実施を検討しているとの報道が材料視されている。以前から出ていた憶測が再燃してたようだ。スイス円は85.30近辺から一気に84.50付近に急落する場面も見られた。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)