11月半ばに1週間ほど東南アジアへ旅行に出かけた。

 飲食業界の友人たちが、「食は東南アジア(特にマレーシア)にあり」というのをどこかで聞きつけ、それを確かめに行くという。おいしいものに目がない私に「一緒に行かないか」と声をかけてくれたのだ。

 東南アジアの飲食店のPOSシステムの環境や自動車市場の様子などを調べるいい機会なので、参加することにした。

 行先は、シンガポール→マレーシア(クアラルンプール)→インドネシア(ジャカルタ)である。各地で2~3泊という強行日程だ。

 会社で社員たちに「IT視察旅行に行くのだ」と言うと、白い目で見られた。年末の忙しい時期にどこに行くんですか、単においしいものを食べに行くだけなんじゃないですか、という空気がひしひしと感じられる。

 「向こうでも仕事はできる。iPadも持っていくし、携帯電話もドコモとauがあるので大丈夫。まめに連絡を交わせば、どこに行っても問題ない」と言い聞かせて旅立った。

スマートフォンの普及ぶりに驚く

 だが、シンガポールで2日目にトラブルが発生した。ドコモの携帯電話が通話できなくなったのだ。メールは使えるのだが、音声が聞こえない。

 マレーシアに行ったら、今度はauの携帯電話が使えなくなった(おまけにドコモのメールも使えなくなった)。機種が古いために電波を拾い切れなくなったらしい。2台の携帯電話が使用不能になり、日本と通話できなくなってしまった。まさに「音信不通」である。

 そうしたトラブルが起きてから、現地の人たちが使っている携帯電話が気になり始めた。そこで、にわかに東南アジアの携帯電話事情の調査を追加することにした。

 よく見ていると、マレーシアでは驚くほどスマートフォンが普及している。特に若い世代の普及率は日本以上かもしれない。圧倒的に多いのはアップルの「iPhone」である。サムスン製品の人気も高い。

 一方、ジャカルタでは、圧倒的に「ブラックベリー」だった。タクシー(「TAXI」ではなく「TAXCY」と表記してある)の運転手もナビとして使っている。小さい画面でよく地図が見えるものだと思うのだが、しっかりと使いこなしていた。