29日の東京市場でユーロや豪ドルは上昇した。今晩のユーロ圏財務相会合で、債務危機解決に向けて前進するとの期待が背景にある。株価が堅調に推移していることも買い支えの一因。11月22日付けのIMM通貨先物の取組み状況ではユーロが大きく売り越しており、ユーロドルの買い戻しになっているとの指摘もあった。
格付け会社ムーディーズは欧州の87の銀行の劣後債を格下げ方向で見直すとし、仏紙はS&Pが10日以内にフランスの格下げの見通しをネガティブに変更する可能性があると報じたことで、ユーロは弱含む場面もあった。

昨日ロイターが入手した情報によると、EFSF拡充策に関して、国債を発行入札で購入した投資家に対して20-30%の保証をする、などと具体策が練られていた。また、ギリシャへの第6弾融資の是非も協議され、こちらは合意される見込み。その他、ECBやIMFの役割拡大の思惑もあるようだ。

ドル円は一時11月4日以来となる78.29近辺まで上昇した。先週のドイツ債入札の不調を背景に円債が下落しており、海外投資家が円を敬遠しているとの見方が出ていた。明け方、フィッチは米債の格付け見通しをネガティブに落としたが、反応は限定された。

Klugアナリスト 鈴木信秀