28日のNY市場、序盤はリスク回避の雰囲気も一服し、ロンドン時間の流れを引き継いで、ユーロや資源国通貨は買い戻しが優勢となった。IMFによるイタリア支援との観測報道やユーロ圏のAAA国でエリート債を発行し、債務国を救済する案など、一連の報道が欧州債務危機解決への期待感を高めていた。全米小売業協会が感謝祭の週末の小売店売上高が前年比16%増加し524億ドルに達したと発表したことも、雰囲気を好転させている。
ユーロはショートカバーが強まったが、次第に上値が重くなった。ドイツがエリート債発行の報道は捏造と否定したことや、IMFのラガルド専務理事がイタリア支援の報道に対して、イタリアからの支援要請はないと述べたことなど一連の報道が否定されたことで、後半は急速に伸び悩んでいる。
あくまで自律反発の範囲で、持続できないとの見方が次第に強まったようだ。
ユーロドルは1.34台に乗せることなく1.3300付近に失速。10日線が1.34台前半に来ていたが、届かずに跳ね返された格好。
一方、ダウ平均が一時300ドル超急伸する中、ドル円も円安から78円台に上昇。売りオーダーが厚く観測されていた78.20水準の突破を試す場面も見られたが、結局、78.00付近に伸び悩む動きとなった。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)