趣向を凝らした面白いホテルは世界にあるが、ヨーロッパにまた1つ珍しいホテルが誕生した。

 引退した古い飛行機の内部を超モダンに改装して、1日1組限定のホテルにしたのだ。地面から床までの高さは5メートル。操縦室と定員120人だった客室が2人だけのものになる。2人が出会った記念日に、プロポーズを心に決めた日に──空中を舞っている気分で甘い時間を過ごせるはず。

2人だけの空間、自然を満喫できる観光スポットも

赤いタラップを上ると、本当に旅立つような気分120人乗りの空間を2人だけで独占する。ゆったりとスタイリッシュな空間操縦席は就航していた当時のまま。これは、飛行機ファンにもたまらない

 オランダのホテル・スイート社(ユトレヒト州デビルト)が運営する「エアプレーン・スイート」は、アムステルダムから電車で1時間のアペルドールン市の近く、テウヘ空港にある。

 地上から赤いタラップを上っていくと、そこに2人だけの空間が広がる。客室はゆったりとして、スタイリッシュ。ダブルベッド、サウナ、ジャグジー、テレビ、DVDプレーヤー、電子レンジやコーヒーメーカー、インターネット接続、冷暖房完備で、誰にも邪魔されずに快適に過ごせる設備が整う。

 操縦室はオリジナルのまま保存してある。ほとんどのランプがまだ機能する。機器の説明もすべて残っている。後部にはテラスを取り付けてあり、空港内の飛行機の滑走も眺めることができる。

 値段は朝食付きで2人1泊350ユーロ(約4万2000円、1ユーロ=120円換算)と、意外とリーズナブルだ。追加でウェルカムシャンパン1本45ユーロ(約5400円)、バラの花束20ユーロ(約2400円)、料理なども手配できる。旅の記念として室内のアメニティを販売している。例えば、バスローブは99ユーロ(約1万1800円)だ。

 ペットは不可、室内は禁煙。午後3時チェックイン、翌日の午前11時チェックアウトだ。オプションとして飛行レッスンやパラシュートジャンプなども体験できる。