24日のロンドン市場でユーロドルは上下神経質に動いた。予想外に良かった独Ifo景況感指数でユーロドルは一時1.3410台まで上昇したが、同レベルには売り注文が控えており、上げ渋った。その後格付け会社フィッチが、ポルトガル債の格付けを「BBB-」から「BB+」に引き下げたことでユーロドルは1.3370レベルから1.3350台まで値を落とした。中国の政府系ファンド、中国投資(CIC)の副社長が間接的に欧州を支援出来るとの考えを示し、ユーロドルは買われる場面もあった。ドル円は序盤77.20台まで反発したものの買いは続かず、77.00に迫った。
欧州債券相場は全般的に弱含み利回りは上昇したが為替への影響はあまり見られなかった。ドイツ10年物国債利回りは一時2.23%まで上昇し、ベルギー10年物国債利回りは5.60%と2000年11月以来の高水準まで上昇した。イタリア10年物国債利回りは再び7%台に乗せている。
独仏伊の首脳会談後、独仏はイタリアを支援する決意(サルコジ仏大統領)やユーロ圏共同債には断固として反対(メルケル独首相)などの発言が出ているが特段の反応は示していない。

ポンドも上下神経質に動いた。英第3四半期GDP改定値は速報値と変わらなかったが、個人消費は予想を下回り一時売られた。また、ブロードベント英MPC委員が景気後退の可能性を示唆したことで弱含む場面もあった。ただ、下値も限定的で、買戻しなども入り押し上げられている。

豪ドルとカナダドルは比較的堅調に推移した。商品相場がしっかりしていることが背景。また、中国外貨取引センターは、28日から対人民元での豪ドルとカナダドルの取引を開始すると発表した。

Klugアナリスト 鈴木信秀