18日のNY市場、ユーロの戻り売りが優勢となった。本日は欧州債務懸念も一服しており、ロンドン時間にはイタリア債も買い戻されるなど落ち着いた動きだったことから、ユーロの買戻しが優勢となっていたが、NY株式市場が冴えない動きとなったことから、ユーロも次第に上値が重くなり、戻り売りに押された。ユーロドルはロンドン時間に1.36台まで急伸していたが、1.3500付近まで戻す動き。
ただ、ショートポジションの解消も活発に出ているのか、1.35台は維持しており、前日から下値は切り上げている。ユーロ円も104円台から103円台に値を落とす動き。
一方、ドル円は一時介入後の安値を下回っていたが、相対的なドル買いの動きから、77.00手前まで戻した。覆面介入が出ているかどうかは判らないが、下値には準政府系の買い観測も出ている。但し、77円台の壁は日増しに厚くなっている雰囲気も否めない。
◆米国も山場か
きょう、オバマ米大統領が12月16日までのつなぎ予算案に署名した。明日19日の期限切れを前に成立した格好で、これにより、とりあえず政府機関の閉鎖という最悪の事態は回避されている。
しかし、議会では赤字削減をめぐる議論が続いており、長期的な財政再建策を検討している超党派委員会は来週の感謝祭前の23日までに財政赤字削減策を打ち出す必要がある。
今後10年で少なくとも1.2兆ドルの財政赤字削減が求められているが、共和党が増税に消極的な一方で、民主党は増税が盛り込まれるまで医療や年金に関連した歳出の削減に同意しない姿勢を崩さず、合意を得られない状況。
万一合意できない場合は逆風は欧州から米国へ一気に流れが変わり、ドル売りが強まることも予想される。その意味でも、来週は債務問題の一つの山場を迎えているとも言えそうだ。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)