11日のロンドン市場は小動き。この後のNY市場がベテランズデーで休場となるため、取引は手控えられた。ドル円は欧州勢の参入で下値を試し、先月末の介入後の安値を77.32近辺まで押し下げたものの下げ幅は限定されている。この下の77.20-25レベルにはストップロスのドル売り注文があるというが、突っ込んだ売りは入らなかった。ただ、戻りも鈍く、77.30台で軟調に推移している。
ユーロドルは1.36台前半でもみ合い。イタリア債に買い戻しが入ったものの(利回りは低下)、大きな反応は示さなかった。なお、本日はイタリア上院が予算法案を可決し、12日には下院で採決が予定されており、最終承認されたらベルルスコーニ首相は辞任する見通し。首相辞任後の暫定政権の首班にはモンティ元欧州委員が指名される公算が大きいという。欧州株はじりじり値を上げている。
なお本日、野田首相はTPP交渉参加方針を正式表明した。鹿野農相はすかさず、「首相は参加表明とは言っていない」と述べており、国民への説明義務も含めて引き続き議論の余地は大きいが、週明けの東京株式市場には影響があるだろう。明日からのAPEC首脳会議での首相発言に注目だ。
Klugアナリスト 鈴木信秀