マット安川 今回のゲストは民主党副代表・国家基本政策常任委員長の田中慶秋さん。今国会の最大のテーマとなる「第3次補正予算」を軸に、円高対策やTPP参加の是非など、山積する問題についておうかがいしました。

第3次補正予算の成立を急げ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:田中慶秋/前田せいめい撮影田中 慶秋(たなか・けいしゅう)氏
衆議院議員、民主党神奈川県第5区総支部代表。スポーツ全般・盆栽・釣り・料理など多彩な趣味を持ち、柔道は五段の腕前。(撮影:前田せいめい、以下同)

田中 東日本大震災の発生から8カ月になります。私は福島の浪江の生まれですから先日行ってきましたが、誰も住んでおらず、荒野のようでした。被災地はこれから冬を迎えるわけで、いまよりもっと厳しい状況になります。みなさん精神的にもまいってきており、心のケアもしなければいけません。

 被災地の復興を急ぐために、第3次補正予算案ということで約12兆1000億円を組んでいます。これを1日も早く通すことが重要です。野党のみなさんも口では早く通そうと言うけれど、具体的な話になると財源はどうするのかなどいろいろなことを言う。いまは国難の時ですから、与党だ野党だと言っている状況ではありません。

 震災復興交付金も約1兆5000億円、地方交付税についてもあまり注文をつけず地方自治体が使いやすいような形で約1兆6000億円、道路などのインフラ整備にも約1兆5000億円組んでいます。

 今回の震災で、自動車や電機などの企業が東北にあれだけ進出していたことが改めて分かりました。被災地の中小零細企業は二重ローンの問題を含めたいへんな状態にあります。それについても法律を作って対応し、再生しなければいけません。

 ですから、3次補正を含めて、地域のみなさんの要望にいかに応えるか。私は福島関係の窓口もやっており、現場の声を一番大切にしたいと考えています。マスコミが最近、震災の報道が少なくなってきていて残念に思っています。もっと現場の生の声を報道していただきたい。

 東北が復興することによって、日本の元気を取り戻すことができると思っています。それが結果的に今後の日本経済の発展、成長戦略にもつながっていくと思います。