7日のNY市場、ユーロや資源国通貨は目まぐるしく上下動した。ギリシャの国民投票が完全に回避されたが、一服感も出ないまま、市場のターゲットはイタリアに移ったようだ。序盤はロンドン時間の流れから、ユーロは売りが優勢で始まったものの、次第にイタリア国債の下げ(利回り上昇)が一段落すると、ユーロも買い戻された。しかし、上値は重く、再び下値を攻める動きが見られ、序盤の戻しを解消している。ただ、今度は終盤に入ると、シュタルクECB理事の1-2年の間に債務危機は沈静化するとの見解が伝わったことも手伝って、NY株価とともに買い戻される展開。

ユーロドルは1.37台前半から1.38の間の堂々巡りとなっている。また、資源国通貨も同様の動き。ただ、資源国通貨は商品市場で原油や金が強い動きとなっており、ユーロと比較すると強さが見られた。

国際原子力機関(IAEA)は週内にも、イランの核問題について詳細な報告書を発表する予定。報告書の内容次第では、イスラエルがイランの核施設を攻撃するとの憶測もあり、中東地域の緊張が再び高まっている。

一方、ドル円は78.00付近での振幅に変化なし。

日本時間の明日23時半頃からイタリアの前年度予算の決算案を巡る採決が予定されている。事実上の信任投票とも位置づけられており、ベルルスコーニ政権が存続するか否かの重要なイベントとなりそうだ。

また、明日はギリシャの次期首相も公表される予定。連立政権の協議は明日も続く見通し。パパデモス前ECB副総裁など様々な名前があがっているが、こちらは無難に通過か。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)