4日のロンドン市場は、米雇用統計やG20を控えて模様眺めとなっている。欧州株は全般に小高く推移しているが、独DAX指数がやや売り優勢になっており、まちまちな動きとなっている。この日発表された欧州経済指標は弱い結果が相次いでいる。独欧サービスPMI確報値はいずれも速報値から下方修正された。ユーロ圏生産者物価指数はほぼ予想通りだったが、ドイツ製造業受注は前月比が大幅に低下した。昨日のECBの利下げ、ドラギ総裁による弱い景気見通しなど、欧州経済に停滞感が広がっている。きょうもシュタルクECB専務理事が、10ー12月期はゼロ成長も、との見通しを示した。
ただ、米雇用統計を控えていることで為替相場は模様眺めとなっている。ユーロはむしろ小高く推移。ユーロドルは1.38割れ水準から1.38台半ばへ、ユーロ円は107円台後半から108円近辺へと上昇。調整の動きが中心のようだ。その他主要通貨は方向感に欠けたもみ合いを続けている。豪ドル円は80.90-81.30でのレンジ取引。ドル円は78.00-10で膠着状態となっている。イタリアが経済改革の進展度をIMFがモニターすることで合意、G20草案なども報じられたが特段の動きはみられていない。
◆カナダ雇用統計が悪化、カナダドル売られる
注目の米雇用統計に先立ってカナダの雇用統計が発表された。10月のカナダ雇用者数は5.4万人減少した。市場予想は1.5万人増だったことからカナダドルにとってはネガティブ・サプライズとなっている。ドルカナダは1.01近辺から一気に1.02台乗せ寸前まで上昇、カナダ円は77円台前半から76.50近辺まで急落した。さらに、10月のカナダ失業率も7.3%と予想外の上昇となっており、カナダ雇用情勢が急激に悪化していることが示された。米ダウ平均先物が30ポイント程度下落するなど、米雇用統計を控えてやや弱いムードもみられた。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)