1日のNY市場、ギリシャの国民投票計画を巡って欧州債務懸念が再び再燃し、市場はリスク回避の雰囲気が強まった。ロンドン時間の流れを引き継いでユーロは売り先行で始まったものの、後半には下げ渋る動きも見られている。今週末のG20首脳会合を前に、明日、独仏首脳とIMF、EU、ECBがこの問題に関して協議すると伝わり、一旦、売りが引いたようだ。パパンドレウ・ギリシャ首相も参加するという。また、一部報道でギリシャ議員から国民投票の実施は難しいとの見解も示され、ユーロは買戻しが強まった。

一時1.3610近辺まで急落していたユーロドルは1.3760近辺まで反転する場面も見られたが、上値も重く、1.37台は維持できなかった。

一方、ドル円は78円台前半での振幅が続いた。相対的にドル買いとなったことで、78.50付近に迫る場面もあったが、輸出企業などの売りオーダーも厚く観測され、上値を抑えられている。ただ、78円より下にはオプションや準政府系の買い観測なども出ていたようだ。

今回の介入について、世銀総裁などからは苦言が出ていたものの、前日同様に欧米主要国の首脳クラスからの直接の言及は少ない。事前の根回しがそれなりに奏功しているのではとの印象も受ける。

とりあえず、目先は明日の独仏首脳会談、FOMCの結果待ちといったところか。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)