11月1日の東京市場でドル円は急速に伸び悩んだ。78円台前半で取引を開始した後、邦銀からと見られる買いが入りあわてて追随の買いも入ったことから79円ちょうど近辺まで一時急騰したが、すぐに78円台半ばに戻し、その後はじり安に推移している。上値の重さを確認した格好となった。今月は米債の償還があり、円転による円買いが今日・明日に入るとの見方もあった。
本日はこれまでのところ、政府・日銀による介入の観測は聞かれない。安住財務相は昨日、納得いくまで介入させていただくと述べたことについて、相手の戦意をくじくまでとことんやらないと意味がない、との意思を明らかにした。本日は閣議後に、適時、適切に判断すると語り、今後も介入を辞さない姿勢を示した。

◆個人投資家はドル円のロングを解消、ショートを増やす
FXの取引所取引{くりっく365」を運営する東京金融取引所の公表データによると、昨日のドル円の売り建て玉が大きく上昇した。前営業日は27422枚の売り建て玉だったが、昨日は106002枚と4倍近くに増加している。買い建て玉は減っておりドル円の買い比率は急落した。今後のドル円下支え要因となる可能性がある。

◆経済指標で豪ドル下落
発表された経済指標では10:00に中国10月の製造業PMIがあり、予想・前回値を下回ったことから豪ドルに一時下押しの動きがあった。その後、12:30には豪中銀が政策金利の0.25%引き下げを発表、豪ドルは主要通貨に対して売られた。豪中銀の利下げは2009年4月以来。また、声明文では、全般的な成長鈍化に加えてインフレ率は目標に近づく見通しを示し、中立スタンスが現在は適切だとした。

Klugアナリスト 鈴木信秀