26日のNY市場は欧州の首脳会談を巡って上下動する展開となった。序盤はユーロが売られる展開となり、ユーロドルは一気に1.39台から1.37台まで下落する場面も見られている。ギリシャ債のヘアカットに関して60%カットを主張しているEUに対し、民間銀行側は40%カットを主張しており調整が難航しているとの報道を嫌気。しかし、後半になってユーロ首脳会談の声明草案が一部報道で伝わり出すと、買い戻しが優勢となった。
草案ではEFSFのレバレッジは、これまで伝わっていた保証付与とSPIV(特別目的投資機関)の2案を軸に柔軟に展開するとしているが、数値目標は盛り込まれず、11月までにユーロ圏財務相がその詳細を詰めるとしている。これ自体は予想通り。
また、問題となっているヘアカットについては、独仏首脳が現地時間の今夜に銀行団と会合の意向を示しており、その動向待ち。
銀行の資本増強については概ね良好な合意が出ていたようだ。
EU筋からEFSFの2500~2750億ユーロのベースに4倍のレバレッジをかけ、全体的な規模は1兆ユーロ程度の見通しとの報道が流れていた。もしこの線ならば、少なくとも1兆ユーロを下回ることはなく、一方で理想の2兆ユーロには届かないといった状況。この観測の通りであれば、やや微妙な数値ではある。実際、11月のユーロ圏財務相の協議次第ではあるが。
株価も大幅に上昇する中、市場全体はリスク選好の雰囲気が高まり、円相場も円安の動きとなった。ドル円は76円台を回復している。ユーロドルも戻りを試したものの、1.39台に入ると上値は重くなった。資源国通貨は堅調に推移。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)