24日の東京市場は、リスク選好ムードが広がり資源国通貨が買われた。株式市場は日経平均が一時150円超上昇、香港ハンセン指数が3%超高となるなど堅調に推移。21日の米株高などリスク選好ムードを引き継いだ形。豪ドル円は79円台乗せ、豪ドル/ドルは1.04台乗せと前週末高値を上抜ける動きを示した。EU首脳会談を巡っては特段の新規材料は報じられてないが、26日の合意に向けての期待感が相場を下支えしている。10月中国製造業PMI(HSBC発表)が前回から改善したことも豪ドルには好感されていた。早朝に1.38台前半へと調整されていたユーロドルも、次第に下げ渋って再び上昇、一時1.39台乗せと早朝の下げを消した。ユーロ円も一時106円近辺へと買われている。全般にドル安・円安が優勢になっている。

一方、ドル円は動きにくいムードだった。21日の海外市場では一時75.78レベルと戦後最安値を更新する場面があったが、その後すぐに76円台に戻した。週明けのオセアニア市場でも76.20近辺からのスタート。安住財務相は円高について、円高行き過ぎれば断固たる措置とらなければいけない、1ドル75円台は投機的な動き、実体経済を反映していない、と述べたうえ、22日に事務方に対し、どういうことがあっても対応できるよう準備を指示した、と切迫感のある発言内容。これを受けてドル円は買いの反応を示したが、76.48レベルまでで上値を抑えられてる。その後は76円台前半での揉み合いが続いた。実際にレートチェックや介入観測などがでなかったことで、動きは比較的静か。ただ、オプション市場ではドル円のボラティリティーが1週間物など期近中心に急上昇しており、今後の変動への警戒感は高まっている。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)