21日のNY市場はユーロや資源国通貨が買い戻された。欧州債務危機に対する悲観的な見方が後退し、株価や商品も大幅高となる中、リスク選好の雰囲気が強まっている。特に好材料が出た訳でもないが、今週末からの欧州イベントを巡って、何らかの有効な打開策が打ち出されるのではとの期待感が高まっている。投資家はこれまでのポジションを巻き返し、ニュートラルに持って行ったようだ。

ユーロドルは一時1.39台まで上昇。直近高値は上抜けなかったが、リバンドの流れは維持する動き。ユーロ円や豪ドル円も同様の展開となった。

◆ドル円急落 欧州イベント前に大口の解消売りか
NY時間の序盤にドル円が急速に下落した。これまでのサポートとなっていた76.50水準をブレイクし、ストップを巻き込んで、一気に75円台まで下落した。戦後最安値の水準。

特段の材料は無く、大口のロング解消売りが英大手行2行を通じて、断続的に出たとの観測も。77円台を攻め切れないまま、今週末からの欧州イベントを前に、一旦、見切売りが出たものと思われる。

上向きのモメンタムを一旦無くしたようで、急落からの戻りも鈍く、その後も、76円台前半での振幅が続いた。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)