東京・秋葉原、通称アキバは日本の “ものづくり” のショースペースの役割も担っている。外国人がアキバを訪れる理由の1つがコレだ。ガラパゴスアイテムだらけでも、眺める分には楽しい。ショップによっては実際に体感することもできる。

アキバ指標で“ものづくり”の見える化を

麻生首相「漫画を読む暇もない」、アキバで街頭演説

アキバは麻生太郎・前首相のトレードマークでもあった〔AFPBB News

 失われた20年を経た国のデジタルアイテムが、世界中で注目されているのだから、小生、大した島国だと思う。日本が世界の主要経済大国であり続けられるための指標に、アキバ訪問外国人数があるはずだ。

 日本の強み・弱みを判断できる重要な指標だと考えるが、なぜか、ソレを知らせるチャートはない。ウェブカメラを使えば、簡単にリサーチできるだろう。

 IT革命はアキバの守旧派ショップを駆逐し、資本及び新興ショップにビジネスチャンスを与えた。戦後のラジオ部品商経営者たちは、高度経済成長の波に乗った。

 東京電機大学の周辺でラジオ部品を販売していた彼らは、GHQの露店撤廃命令を受けた東京都から、アキバ近辺に集約された。朝鮮戦争特需から始まった高度経済成長で、彼らは大金を手にしたが、その子供たちを甘やかして育ててしまった。

 東京六大学に代表される名門大学を卒業した守旧派ショップの子息たちは、2代目として経営を任せられ、自分たちの父親の時代と真逆の荒波の前に、次々と飲み込まれてしまった。該当するヒトを、小生は何人か知っている。

 中には、長期間の消費不況にデフレ国家なのだから、自分たちの責任ではないと考える2代目もいる。まるで、いつまでも「ウォークマン」ばかり売れると信じ、「iPod」に追い抜かれた現実に対応できない企業のようではないか。

 そんな甘い考え方を続けたから、経営が立ち行かなくなったのだ。アキバがそれを証明している。モノとサービスに工夫を凝らしたショップは、逆風下の時代でも立派に生き残っているし、成長を続けている。

 海外にチャンスありと考えたなら、中国に現地事務所を設けたり、パートナー企業を発掘したりと、機敏な行動をしている。IT(情報技術)の活用にも熱心だ。