17日のロンドン市場はリスク選好で始まるものの値を崩す展開となった。きっかけは、ショイブレ独財務相が23日のEU首脳会議ではユーロ圏債務危機の最終的な解決策は出ない、と発言したこと。先週末のG20会合を終えて、市場の一部では23日への期待があったようだ。ユーロドルはロンドン市場早朝に、先月15日以来約1ヶ月ぶりの1.3910台まで上昇していたが、1.37台後半まで値を落としている。ユーロドルの下落に伴いドル買いが進み、クロス円も売られたことで円は買われた。ドル円は77円台前半で上に往って来いとなった。
豪ドルもドルと円に対して下落したが、底堅い印象だ。一時本日の安値を更新したが、東京市場のレンジ内に戻っている。

財務相発言の他には、ドイツ連銀が月次リポート内で、ドイツ経済の見通しが一段と悪化したことを示し、また、メルケル首相の報道官もEU首脳会議で最終的な解決策がまとまるとの期待は非現実的と指摘している。同報道官は、首脳会議の前に首相と銀行首脳との会合を開く予定はないとも述べた。

Klugアナリスト 鈴木信秀