14日のNY市場は、強い米経済指標を受けて円安・ドル安が強まった。NY序盤に発表された9月の米小売売上高は前月比+1.1%、コア前月比は+0.6%といずれも市場予想を上回る結果だった。ユーロドルは1.38近辺から1.39手前、ユーロ円は106円台前半から107円手前の水準へと急伸した。ポンドや豪ドルも同様に買われ、ポンド円は一時122円近辺、豪ドル/ドルは1.03台乗せへと上昇している。イタリアのベルルスコーニ首相が信認されたことも市場のムードにとっては好材料だったようだ。その後発表された10月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は57.5と予想を下回ったがリスク選好ムードに特段の変化はみられていない。NY株式市場、ダウ平均は寄り付き直後から100ドル超の上昇となった。

ドル円は一時77.45レベルまで急伸する場面があった。市場では、来週にも日本政府が新たな円高対策を講じる、との一部報道が材料視されていた。クロス円もこの動きに引っ張られて、ユーロ円107円台乗せ、ポンド円122円半ば、豪ドル円79円台後半へと上昇、米小売売上高発表後の高値を更新した。今週はドル円の動きが次第に活発になってきている。

NY株式市場は取引中盤にやや売られる場面もあったが、終盤にかけては再び騰勢を強めた。ダウ平均とナスダック指数は年初来で上げに転じて引けた。原油先物も87ドル台乗せと堅調に推移。豪ドル/ドルは取引後半にかけて1.03前半へと上昇し、この日の高値をつけた。NZドル/ドルも0.80台半ばへと上昇して高値引け。週末に開催されるG20会合を控えて世界各国から欧州の早急な対応を求める声があがっており、市場では期待感も広がっていたようだ。ただ、ドル円は77円台半ばが重く、77円台前半で今週の取引を終えている。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)