欧州危機への懸念が後退したことで、前日のロンドン市場からNY午前にかけて円安及びドル円を除くドル安が大きく進行した後を受けての、13日の東京市場。前日NY市場午後同様に、利益確定などによるポジション調整が主体の展開となった。
海外市場で77円台半ば近くまで一時上昇していたドル円は、77円台前半で頭を抑えられる展開。1.35台から1.3830近辺まで上昇したユーロドルも1.37台後半まで戻される形に。
しかし、ドル円は77円台を維持、ユーロドルもその後1.38台を再び回復する等、調整による押し目は限定的なものにとどまっている。
欧州懸念が後退したことで、株式市場などに買いが入っており、ドル円やクロス円の下値を支えていることが、下値を支えた形。

◆豪雇用統計、予想を大きく上回り豪ドル買いに
午前9時半に発表された豪雇用統計(9月)は、雇用者数が予想の1万人増、前回値の1.05万人減(0.97万人減から修正)に対して2.04万人増と、大きく上回る数字になった。失業率も予想及び前回値の5.3%から5.2%に改善を示している。
市場ではこのところ豪経済の先行き見通しに減速感が出ていただけに、今回の強い結果はかなりのポジティブサプライズとなり豪ドルは上昇した。
豪ドル円は昨日海外市場でのクロス円上昇の中で79円に迫ったあと、発表前に78円割れまで売りが出ていたが、結果を受けて78円台後半まで回復。ドル円が頭を抑えている分昨日の海外市場での高値までは超えきれなかったが、豪ドルドルは1.0230近辺までと昨日の高値1.02近辺を大きく越えるなど、指標結果を受けての豪ドル買いの勢いを感じさせる展開となった。

Klug チーフストラテジスト 山岡和雅