12日のロンドン市場はリスク選好地合の中、ドル安が進む展開となった。欧州株や米株価指数先物は上昇に転じ、避難先と目される米債は売られ(金利は上昇)、ドルインデックスは9月21日以来の77割れとなっている。市場では、ギリシャへの追加融資に道筋が立ち、欧州圏内銀行支援への期待も強まっていることからリスク回避の動きは和らいでいるという。
ユーロや豪ドルなどはドルと円に対して買いが優勢の展開。ユーロドルはショートがたまっており、1.3700を超えるとストップロスのユーロ買いを巻き込み上値を伸ばした。一時1.3810台まで上伸している。発表されたユーロ圏の鉱工業生産指数が良い内容だったこともユーロ買いをサポートした格好となった。一方、ドル円は、ドル売りの流れに押され9月27日以来の水準となる76.31近辺まで一時下落したが、76円台前半には買い注文が集まってきていると言い、76円台後半に反発している。

米上院は昨日、中国に人民元の切り上げを促す対中制裁法案を可決(オバマ大統領は慎重姿勢を示しているが)する一方、大統領が提案した雇用対策法案を事実上否決した。政治的な動きもドル安を促した格好で、米10年物国債利回りは9月1日以来となる2.2%台まで上昇した(米債価格は下落)。

Klugアナリスト 鈴木信秀