10日のロンドン市場はリスク選好型となり、ユーロや豪ドルが買われ、相対的にドルと円が売られた。週末に、独仏首脳が欧州圏内銀行に対して資本増強の方針で一致し、ユーロ圏の安定に向けた包括的な対策を今月末までにまとめると発表したことが好感されている。また、関係筋の話として、ギリシャへの追加支援に向けてアテネ入りしているトロイカ(EU、IMF、ECB)調査団が本日、ギリシャとの協議を終えて明日までに共同声明を発表すると伝わったことでユーロの買いに弾みがかかった。その後、ギリシャ財務相は、調査団との協議は終了したと発表している。

ユーロドルは週明けオセアニア市場の早朝、先週末からの流れを引き継ぎ1.3349近辺まで下落した後は、一本調子で値を取り戻す展開となった。アジア株や欧州株が金融システム懸念の後退から上昇しており、ユーロドルはその後、9月末以来となる1.36台まで上昇した。ユーロドルの上昇に伴い、豪ドルやポンド、カナダドル、スイスフランなどもドルと円に対して買われている。ユーロドルはショートがたまっていたようで、ストップロスのユーロ買いも断続的に入っていたようだ。ただ、EU関係筋が、今月17日に予定されているEU首脳会議の日程が遅れる見通しと発表するとそれぞれ伸び悩んでいる。

ドル円は他通貨ペアの値動きにつられる格好で、下に往って来いの展開となった。ただ、76.58-75レベルと値幅は乏しかった。

Klugアナリスト 鈴木信秀