7日のロンドン市場は、NY市場で発表される米雇用統計を控えて様子見気分が広がった。欧州株は各主要指数とも値幅が上下1%以内に留まっている。序盤はポンド買いが先行した。ポンドドルは1.54台前半から1.55台半ばへ、ポンド円は118円台前半から119円台乗せまで買われた。昨日発表された英中銀の追加緩和策が引き続き好感されていた模様だった。ただ、今日発表された英生産者物価指数は予想を上回る結果だった。市場では仕入物価の上昇は英企業にとってはマイナス材料との見方もあり、ポンドの上げはやや一服している。ユーロは比較的狭いレンジでの揉み合いとなっている。ユーロドルは1.3410-1.3465レンジ、ユーロ円は102.85-103.15レンジに留まっている。序盤にムーディーズが英国やポルトガルの銀行の格下げを発表したが反応薄だった。むしろポンドにつれて買い優勢だったが、動きは限定されている。
IMFのギリシャ調査団トムセン氏は、近日中にギリシャ調査の結果が発表されることを期待している、と述べたが、まだ重要な問題について話し合いが続いている、としたことがややユーロ売りを誘った面もあったようだ。メルケル独首相やレーン欧州委員は今月17-18日に開催される欧州首脳会合では、銀行の資本増強がテーマになると表明したが、市場は反応薄だった。オセアニア通貨は豪ドル円75円近辺などで模様眺め、ドル円は76.60-70レベルでのこう着相場が続いている。
◆カナダドル急伸、強いカナダ雇用統計で
米雇用統計を控えて取引手控え気味となっているロンドン市場だが、カナダドルは例外だった。日本時間20時に発表された9月のカナダ雇用統計は、市場予想を大幅に上回る強い結果だった。雇用者数は60.1千人増(予想15.0千人増)と予想値の4倍となったほか、失業率は7.1%(予想7.3%)へ低下している。発表を受けてカナダ買いが強まっている。ドルカナダは1.04近辺から1.03台前半へ急落。カナダ円は73.80レベルから74.20近辺へと急伸した。このあと日本時間21時半に米雇用統計を控えていることから、短期筋の利益確定の動きも予想されるが、クロス通貨ではカナダ優位が続く可能性も。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)