6日のNY市場はリスク回避の雰囲気も一服し、ユーロや資源国通貨も買い戻しが続いた。

欧州銀の資本問題でEU当局が何らかの行動を起こすとの期待が強い。きょうのECB理事会でも、利下げこそ無かったものの、1年物資金供給オペやカバード債購入の再開を打ち出した。予想通りではあったものの、金融システム支援の姿勢を明確にしていることから、緩和策ではあるが、ユーロにとってはポジティブな内容となった模様。明日の米雇用統計発表を前にした、ユーロのショートポジションの整理も進んだようだ。

ユーロドルはロンドン時間の1.3250水準から200ポイント上昇し、1.3450付近まで上昇。ユーロ円も103円台を回復。10日線は突破できなかったものの、底堅い展開は続いた。

◆ドル円は依然膠着続く
ドル円は振幅はあるものの、概ね76.50から77.00の間での膠着した展開を続けている。欧州通貨に焦点が集まる中、蚊帳の外といった雰囲気。下値には日本の機関投資家や個人投資家の買いも散見される一方で、77円台では輸出企業の売りも観測されている。

ドル円上昇には、世界的な景気回復期待、米金融政策の引締め期待など、幾つかの前提条件が必要となり、他の通貨ペアような上値の軽さがない。現状は逃避的な雰囲気からのドル買いのフォローがあったとしても、円買いに拒まれてしまい、方向感の無い状況に追い込まれているようだ。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)