3日のロンドン市場は、欧州株が売られており、ユーロは安値水準で揉み合いとなっている。この日はユーロ圏財務相会合が開催されており、市場には結果待ちのムードが広がっている。レーン欧州委員はこれに関連して、EFSFのレバレッジ活用案がひとつの選択肢として議論される見通しと述べている。欧州株は寄り付きから各主要指数が2%超の下落となった。銀行株が主導する下げとなっている。ただ、下げの勢いは次第に落ち着き、マイナス圏での揉み合いとなっている。独欧の9月製造業PMIが速報段階より小幅に上方改定されていたが、前回8月からは悪化しており、市場は反応しにくい結果だった。
ロンドン早朝には、アジア株安でリスク回避ムードが広がりドル円は76.76レベル、ユーロ円は102.25レベルとこの日の安値をつけた。ユーロドルも1.3314レベルまでじり安となった。その後、欧州株が大幅安で始まったが、円買いの圧力はやや沈静化し、小幅に戻す動きもみられた。しかし、ユーロドル1.3380レベル、ユーロ円102.90レベルまでの反発に留まっており、依然として上値は重い。ECBはイタリア国債を買い入れた模様、とも報じられたが、ドイツ国債とその他欧州諸国との利回り格差は高水準のまま。市場のギリシャ問題などをめぐる不透明感は依然として払拭されていない。
◆ポンドは英PMIめぐり神経質な動き
日本時間17時半には9月の英CIPS製造業PMIが発表された。結果は51.5と市場予想48.5および前回8月49.0(修正後49.4)を上回った。しかし、市場では発表直後にポンド売りが強まる動き。ポンドドルは一時1.5480レベル、ポンド円は119.05レベルまで下落し、本日の安値をつけた。ユーロポンドは一時0.8630レベルへと上昇した。PMIの内訳をみると、新規輸出受注指数が45.0と2009年5月以来の低水準だったことが気になる点だった。ただ、その他の項目は好調で、すぐに値を戻す神経質な動きだった。その後は、1.55台前半、119円台前半と、ユーロとともに上値が重くなっている。オズボーン英財務相は、ユーロ圏債務危機の解決は英経済を最大限に浮揚させるだろう、欧州は支援基金をより一層強化する必要、と述べており、欧州債務問題が目下の英景気動向にとって大きなファクターであることを表明した。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)