22日のNY市場、欧州懸念が根強い中、景気の先行き不安感が強まり、この日の市場は全体的にリスク回避の雰囲気が強まった。投資家のリスク許容度が低下する中、ユーロのみならず、ポンド、資源国通貨も見切売りから大きく下落している。
前日FOMCが打ち出したオペレーション・ツイストでは景気後退は回避できないとの見方がある一方で、FRBの金融政策では限界との声も強い。
日米の投資家による海外リスク資産回帰の動きから、ドル回帰・円回帰の動きが強まり、特にクロス円は最低水準を更新する動きとなった。ポンド円は戦後最安値の水準に下落。日本の個人投資家のマージンコールも多発した模様。
終盤に値ごろ感からの買戻しも見られた。EU当局は否定していたが、英FT紙が欧州当局者の話として、
先の欧州ストレステストで不合格に近かった大手欧州銀16行について、資本増強を行う計画を加速させる模様と伝えていたことが材料視されていた。ただ、買戻しの動きは限定的で上値は重い。
ユーロドルは一時1.33台まで下落、1.35台を瞬間回復する場面も見られたが、1.34台半ばに押し戻されている。ドル円はドル高・円高の動きから76円台で小幅に振幅。
◆ユーロ円、下への過熱感は昨年5月以来
ユーロ円は一時102.20付近と、約10年ぶりの低水準まで下落している。ただ、同時に下げ過ぎ感も高まっており、過熱感を示すテクニカル指標であるRSI(14)は22.70付近に低下。下げ過ぎ感を示す30を大きく下回っている。
この水準は昨年5月に示現しているが、当時もギリシャへの不安感がピークに達し、その後、小康状態に入っていた時期。
この水準を下回るようであれば、リーマンショック直後の2008年10月の水準が視野に入る。市場では欧州債務問題が景気後退へと発展して行くのか不安感が高まっているが、過熱感も類似した動きを見せているようだ。
なお、ポンド円はボラティリティが大きい面もあり、既にリーマン直後の水準に到達している。
危険な状況に入っているが、逆に見れば、景気後退がなければ、短期的になる期待感もある。ただ、現状は不透明だ。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)