12日のNY市場は乱高下の末、終盤にユーロは買い戻されている。ユーロはロンドン時間から買い戻しが優勢となっていたが、特にユーロを買い戻す材料も無かった。ギリシャ債利回りは上昇が続き、CDS市場でもギリシャ債のスプレッドは過去最高水準への拡大が続いており、市場の不安感は根強い。一時デフォルト確率が98%まで織り込む水準まで拡大していた。先週の急速な下落から売られ過ぎ感も強まっており、自律反発の動きが出ていたものと思われる。次第にユーロも上値が重くなり、序盤の上げを失う動きが続いていた。しかし、終盤にイタリアが中国に国債購入を要請したとの報道も伝わり、中国によるイタリア支援への期待からNY株と伴に急速に買い戻されている。

ユーロドルは1.3560近辺まで下落後、1.36台後半まで一気に戻す動き。ユーロ円も105円台半ばまで回復。

◆ドルの調達圧力高まる ドルLIBORは昨年8月以来の水準更新続く
欧州債務懸念を背景にした欧州銀の信認低下で、銀行間市場ではドル調達圧力が続いている。ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)3ヵ月は0.34%台まで上昇している。8月に入って右肩上がりの上昇が続いており、昨年8月の水準まで到達している。ユーロの短期金利との金利差が拡大しており、ユーロドルの押し下げ要因となっているようだ。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)