恋愛の場面で語られる言葉を、市場経済とか進化論の立場から定義し直すことも可能です。用語の解説を最後にまとめたので、ご覧ください。これから恋愛の基本メカニズムを知っていただくために重要と思われる16の恋愛用語を、ビジネスで使うような言葉で解釈し直したものです。
ビジネスに当てはめた恋愛用語集
その16の用語とは、「恋愛感情」「男性」「女性」「自分」「自分以外の同性」「自分の異性」「恋愛市場」「恋人」「もてる」「結婚」「浮気(未婚者)」「不倫(既婚者)」「経済的資源」「見かけ」「セックス」「子供」です。
今後、これらの言葉が出てきて意味が曖昧と思われたら、この用語集を参照していただきたいと思っています。
16の用語の中でも、「恋愛感情」という言葉について多少の説明が必要かと思いますので、ここで解説しておきます。「恋愛感情」とは「好きになる」ことですが、次のように定義しています。
オスの精子とメスの卵子を結合させて子供をつくらせるために、進化の過程でつくり出された情動の1つ。多幸感、高揚感、強迫性などを伴う。お互いがこの感情を抱いた場合は、恋愛市場における男女間の売買を円滑にさせる作用があるが、相手の価値について非合理的な過大評価をさせる原因となる。
ヒトの社会が高度化する以前は進化的な合理性があったと思われるが、男女間の長期的な関係が必要とされる現代社会においては、お互いの価値算定を誤らせるという否定的な側面が大きくなってきている。
恋愛は常にバブル時代を生きている
私たち人間は、オスとメスがセックスして、子孫をつくって、次世代に遺伝子を受け継ぐような仕組みを持つ有性生殖の動物です。男性の場合、子供をつくるには普段排泄用に用いられている性器が勃起して、セックスできるようにしなければなりません。
女性も普段排泄用に使われている性器を、セックスするにふさわしい機能に短期的に変換させる必要があります。誰にでも性欲を感じるというわけではなく、自分にとって最良の子どもが持てると思える異性に対して高揚感が湧き上がるものなのですが、この高揚感を世間一般では「恋愛感情」と呼んでいます。
「恋愛学」の観点から言えば、恋愛感情とは相手に対する幻想を与える機能を持つ感情で、相手という商品を実際以上に見せてしまう感情と捉えるのが一般的です。
例えば、1億円の価値がある女性に恋愛感情を抱くと2億円にも3億円にも見えてしまうということになり、だからこそ手に入れたいと真剣に思うのです。これを「恋愛バブル現象」と呼んでいます。
しかし、いったん手に入れて(長期)保有した後に恋愛熱が冷めると、次第に1億円という本来の価値に収束してゆきます。3億円に見えたから買ったのに、それが1億円に見えるようになると2億円損したと思うようになる、これが結婚後に恋愛感情が冷めたときの心理だと言えなくもありません。