2日のロンドン市場はリスク回避先行後は調整的値動き。ユーロドルは8月12日以来3週間ぶりとなる1.4200台、ユーロ円は同19日以来となる109.10台まで下落した。ただ、米雇用統計を前にしたポジション調整が入り、それぞれやや値を取り戻している。ユーロドルが1.4200を割り込むことが出来なかったことも買戻しを誘った。
ギリシャ紙タネアによると、ギリシャ政府がGDP1%分の財政赤字を埋めるための追加緊縮措置の検討を拒否したため、EUとIMFは融資実行のためのギリシャ進展状況の5回目の査定を中止した、と報じた。また、複数の当局者も協議が中断したことを明らかにしている。ただ、ベニゼロス・ギリシャ財務相は記者会見を開き、協議は今月14日に再開するが、それはテクニカルなレベルで経済データを調査するためで停止したわけではない、とした。ただ発言後もギリシャ懸念は払拭せず、ギリシャ2年債利回りはユーロ導入後の最高値を更新した(価格は下落)。
ドイツの首相報道官は首相の見解として、ギリシャは総合的な経済改革を迅速に進める必要があると指摘している。

◆スイスフラン買いは継続
スイスフランは主要通貨に対して一段高となった。欧米経済の先行き不透明感とギリシャ債務問題懸念が避難通貨としてのフラン買いを促している。ユーロやドル、円に対して8月12日以来3週間ぶりのレベルまでフラン高は進んでいる。

Klugアナリスト 鈴木信秀